天使ラジエルの書

 
Raziel_Title.png

 本書セフェル ラジエル ハ=マルアフ(ספר רזיאל המלאך)「天使ラジエルの書」は、実践カバラーで最もよく引用され、使われている魔術書である。
 ラジエルとは、「神の秘密」を意味し、オカルト、魔術に最も適した名前の天使なので、多くの魔術書でこの天使の名前が使われている。
 本書はこの天使ラジエルが楽園から追放されたアダムに伝え(ラジエルはまず同輩の天使メタトロンに伝え、それからメタトロンがアダムに伝えたという説もある)、以後秘密裏にユダヤ人のラビたちに継承されてきた書と言われているが、実際には中世で編纂されたものであるのは確実である。

 このラジエルの書には多数の版があり、天使ラジエルの書や、君主ラジエルの書など題名も微妙に違っており(ヘブライ語の天使マルアフ(מלאך)と君主メラフ(מלך)は発音や綴りが似ているので、よく混同されている。またメラフは大天使の意味で使われることもある)、中には内容がまるで違う版もある。それらの中でも現存する最古のものは、中世の有名なカバリストのウォルムスのエレアザルが編纂した版と言われるが、これも伝説であり、実際にあり得そうにない。本訳はその中でも最も整っている、Sloane 3826文書の、Stephen Skinnerが現代英語に整えた版を基にしている。これはラテン語と英語が混ざった版であるが、現在では失われた、オリジナルのヘブライ語版もあったようである。

 本書はさらに7つの文書に分けられており、1. 占星術の書、2. 宝石、ハーブ、動物、言葉の性質についての文書、3.香についての文書、4. 昼や夜の時間についての文書、5. 浄化と節制についての文書、6. 諸天とそこにいる天使らの名前についての文書、7. 神名の徳と奇跡の書、となっている。

 ちなみに、この本を書庫に置いている家は、火事や夜盗、地震などの害を避けられるという迷信が昔からあり、この本自体がユダヤ人から御守(セグラ)のように扱われていた。

天使ラジエルの書 1 第1の書 占星術と星々の鍵の書
天使ラジエルの書 2 第2の書 宝石、ハーブ、獣、言葉の性質についての翼の書(第1翼 宝石について)
天使ラジエルの書 2-2 第2翼 ハーブについて
天使ラジエルの書 2-3 第3翼 霊、獣、鳥、魚について
天使ラジエルの書 2-4 第4翼 言葉について
天使ラジエルの書 3 第3の書 香についての文書
天使ラジエルの書 4 第4の書 昼と夜の時間についての文書
天使ラジエルの書 5 第5の書 浄化と節制についての文書
天使ラジエルの書 6 第6の書 諸天とその天使についてのサマイムの書
天使ラジエルの書 7 第7の書 徳と奇跡の書


 

  • 最終更新:2023-12-21 12:40:06

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード